お腹に大切な命が宿ったと分かった時から、暖かく愛おしい気持ちになります。
それが初めての妊娠だったら、もしかしたら実感が沸くのに少し時間がかかるかもしれませんね。
母としての幸せを感じると同時に、赤ちゃんにちゃんと栄養がいくだろうか、元気に育ってくれるためには何を食べたらいいのか、不安に思うこともあると思います。
私は日本で2人、イギリスで2人の出産経験があります。
それぞれの国で頂いた色々なアドバイスを思い返しながら、お勧めの食品をご紹介したいと思います。
1 葉酸
日本でもイギリスでもやっぱり葉酸。
胎児の神経系・脳の発達に大切な役割を果たす葉酸は、妊娠初期に毎日摂取するとよい栄養素です。
ただ、妊娠初期といえば、つわりの真っ只中の妊婦さんが多いでしょう。
葉酸を豊富に含む食品である納豆やレバー、モロヘイヤにアボガド…どれも厳しいよ~!と言う時に、
イギリスのお医者様にお勧めされたのが、お手軽にボリボリと食べられるシリアル。
グラノーラなどにすると、食物繊維もたっぷり摂れて便秘予防にもお役立ちです。
一日の摂取量は480㎍が理想とされていますが、一般的なグラノーラ1食分で67㎍を摂取することが出来ます。
自然の食品から摂取することを心がけつつ、上手に活用しましょう。
2 鉄分
貧血が起こりやすい妊娠中に積極的に摂取したい栄養素です。
長男、次男の妊娠中には、栄養満点のレバーを勧められましたが、イギリスにて6年ぶりに妊娠した時には、あまり食べないよう最初の検診時に注意されました。
妊娠初期にレバーを食べ過ぎると、レバーに含まれるビタミンAが胎児の先天性障害のリスクを高めてしまうそうです。
貝類や小松菜、カツオやイワシなどの青魚、大豆食品などにも鉄分が豊富に含まれていますので、意識して食卓にあげましょう。
鉄分が不足しやすい妊娠中期~後期の適正摂取量は、7.5mg/日とされています。吸収率が低いのも鉄分の特徴なので、
量が食べられないつわりの時などはサプリメントを上手に活用することも必要かもしれませんね。
3 カルシウム
妊娠・出産の度に歯が悪くなる、と言うのは都市伝説だそうですが、妊娠中にカルシウムが不足するとお母さんの骨が弱くなってしまう可能性は否定できないようです。
赤ちゃんの骨や歯を形成するのに重要なだけではなく、お母さんの年齢が上がった時に骨粗鬆症になる恐れもあるそうです。
厚生労働省によると、妊婦さんの一日のカルシウム摂取量は550㎎が必要とされています。
牛乳やチーズ、海藻類や大豆製品、そしてブロッコリーにもカルシウムが豊富に含まれています。
妊娠初期から出産まで、積極的に摂取したいですね。
カルシウムの吸収を助けるビタミンDやたんぱく質を多く含むキノコ類や卵と一緒にいただきましょう。
4 食べ過ぎ注意の食品
マグロやカジキ、キンメダイなどの大型の魚には水銀が多く含まれます。
水銀は脳神経の障害を起こす可能性があるので、毎日摂取することは避けましょう。
1週間の摂取量の目安は、80g(刺身1切れ約20g)とされています。
日本では安全性についての議論が分かれるツナ缶。イギリスでは控えるよう注意されました。
とはいえ、大型の魚同様、全く食べたらいけないと言うものではありません。ストレスがたまらない程度に気をつけながら楽しみましょう。
最後に
色々な食品をご紹介しましたが、一番大切なのはやはりバランス。
そしてお母さんがストレスをためないことだと思います。
どの栄養素も十分に摂れたらそれが一番ですが、どうしてもツライなら頑張りすぎなくても大丈夫。
仕事で忙しくて、妊娠中の栄養の知識も乏しかった若かりし日の私は、葉酸を摂れずに長男、次男の妊娠初期が終わってしまいました。
それでも無事に産まれてきて、今でも元気すぎるほど健康です。
出来るところは頑張って、あとは好きなものを食べてハッピーでいることが一番の胎教だと思います。
何度経験しても、産まれてくる赤ちゃんによって妊娠は違うものです。
お腹にいる我が子と相談しながら、実際に会える日まで幸せに過ごしましょう。