二人目不妊に悩む夫婦が増えています。一人目は割とすぐに授かったから大丈夫だろうと思っていたのに、二人目がなかなか妊娠できないのです。
絶対に二人目が欲しい場合や、兄弟の年の差を開けたくなくて、少しでも早く妊娠したいならば、二人目不妊のことを勉強して損はありません。そこで、二人目不妊の原因と対処法についてまとめました。
不妊の定義とは?
二人目不妊の話に入る前に、まずは不妊の定義について説明します。平成27年に、不妊の定義が変更されています。
不妊と聞くと「2年間自然妊娠しなかった場合」を想像する人が多いと思いますが、変更後はこの期間が1年間と半分になっているんです。
不妊(症)の定義の変更に関する新旧対照表
旧:生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく性生活を行っているにもかかわらず,妊娠の成立をみない場合を不妊という.その一定期間については1年から3年までの諸説があるが,2年というのが一般的である.一度も妊娠しない原発性不妊と,過去に妊娠,分娩した経験のある婦人がその後妊娠しない状態となった続発性不妊とがある.また,不妊の原因によって男性不妊と女性不妊と分ける場合もある
新:生殖年齢の男女が妊娠を希望し,ある一定期間,避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という.その一定期間については1年というのが一般的である.なお,妊娠のために医学的介入が必要な場合は期間を問わない.
引用:http://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20150902.html
出展:公益社団法人 日本産科婦人科学会
二人目不妊の原因
1年って割とあっという間ですよね。生理周期には個人差がありますが、年間で約9~13回しかチャンスがありません。体調不良や仕事が理由でタイミングが合わない場合があることを考えると、悠長に構えていられる期間とは言い難いです。
「え!?1年で不妊?だったら私たちもそろそろヤバイ…」と思う人もいることでしょう。二人目不妊の原因は何なのでしょうか?
加齢
一人目妊娠時と、二人目妊娠希望した時に、誰もが確実に変わっていること、それは年齢です。女性は30歳を過ぎると徐々に妊娠する力が弱くなっていきます。その理由は卵子の老化。20代の自然妊娠率は25%前後と言われていますが、35歳には約20%に減少、40歳では5%まで落ちてしまうのです。
また、加齢による妊娠力の低下は女性だけではなく、男性にも当てはまります。男性も加齢が理由で精巣の機能が少しずつ低下します。女性の閉経のように、健康体でも精巣がその役目を終えるということはありませんが。40歳を超えると、徐々に精巣機能や精子の運動力が低下していくと言われています。
一人目はすぐに自然妊娠できたのに、二人目不妊になってしまったのは、夫婦の加齢が原因であることが多いのです。
ホルモンバランスの乱れ
産後、まだ体が回復途中だったり、育児疲れやストレスが多かったりすると、ホルモンバランスが乱れてしまいます。特に産後1年間は赤ちゃんに母乳を与えていなくても、順調に生理が来るとは限りません。生理がきていたと思ったら、卵巣は眠ったままで、実は不正出血だったということもあり得ます。
妊娠するためには、低温期と高温期がきれいに分かれているような、規則的な生理があることが大切です。ホルモンバランスが乱れると、排卵がなかったり、いつもとは違った時期に排卵したり、高温期が短くなったりして、二人目不妊の原因になってしまいます。
出産が原因による体質の変化
出産して体質が変化する女性は少なくありません。生理痛が重くなった、軽くなったなど、女性独自のものだけではなく、髪質や肌質、アレルギーや片頭痛、胃腸関係など、出産を機に良くなったり悪くなったりというのは良く聞く話です。
そして、稀に出産後妊娠し辛い体質になってしまう人がいます。産後、産前と生理周期が大きく変わった場合は要注意です。
性交渉の減少
子供ができると、性交渉の回数が減る夫婦は多いです。育児でヘトヘトになり、また、産後はホルモンの関係で性交渉したくない気持ちになる人もいて、しばらく回数が激減し、それが直接的ではないけど、二人目不妊の原因になってしまうんです。
性交渉が少なければ、どうしても妊娠率は下がります。精子の寿命は2~7日と言われていますが、当然射精されてから時間が経てば運動量が低下し、受精する力を失うのです。なので、妊娠希望するならば3日に1回が理想です。
二人目不妊の対処法
妊活してしばらく経っても妊娠せず、だけどなるべく早く妊娠したいならば、楽観視しない方が良いでしょう。「年齢が上がれば妊娠力は低下する」というのは、誰もが当てはまることなのです。そこで、二人目不妊の対処法を紹介します。
基礎体温をきちんとつける
一人目と同じように妊活しているのに、なかなか妊娠できない場合は、まずはしっかりと基礎体温をつけることから始めましょう。
基礎体温をつけることで、きちんと排卵があるかどうか、高温期が着床に可能な日数あるかどうか、自分である程度把握することができます。不妊外来受診の判断材料にもなりますし、排卵日が曖昧でもわかれば、自分たちでタイミングを測ることも可能です。
ホルモンバランスを整える
女性の体はとてもデリケートで、ちょっとしたことでホルモンバランスが乱れてしまいます。なので、ホルモンバランスを整える生活を心がけましょう。
ホルモンバランスが整う生活とは、バランスの良い食事をとり、適度に運動して、充分に休養をとること。でも、育児で忙しい母親には、これがとても難しいことですよね。完璧にする必要はないので、少し心がけるようにしてください。それだけでも充分効果があります。
体を温める
女性に冷えは大敵!体を暖めることは、妊娠しやすい体づくりの基本でもあります。なので、体を冷やさないように気を付け、水分補給は冷たいものを避けるなどして、体を温めるようにしましょう。
体を温めると言われる食材を積極的に取り入れるのもオススメです。
・ショウガ(体を温める代表格の食材!)
・根菜類(じっくり煮込むと体ぽかぽか)
・海藻類(冷えに大敵な貧血予防になる食材)
・タンパク質(熱を発生させる筋肉を作る栄養素)
体を温めてくれる食材は、日常的に食事に取り入れやすいものばかりです。
夫婦で楽しく過ごす
妊活中、しかもなかなか妊娠できないと、夫婦の間に微妙な緊張感が生まれてしまうことがありますよね。性交渉は愛情を伝えあうコミュニケーションなのに、いつの間にか妊娠するための仕事のように感じてしまいます。でも、そうなると余計に妊娠へのプレッシャーが大きくなり、ホルモンバランスの乱れの原因、ストレスになってしまいます。
なので、妊活中の時こそ、夫婦で楽しく過ごすようにしましょう。のんびり一緒にテレビを観たり、たまには子供を預けて二人でデートしたりもいいですね。夫婦でリラックスしてストレスのない時間を過ごすのは、妊娠するためにとても大切な事です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。二人目不妊の原因は、夫婦の高齢化や、家族が増えたことによる生活の変化など、身体的に異常がある場合ではないことが殆どです。
それでも、あなたやパートナーが必要だと感じたら、不妊の定義とされる1年に満たなくても、不妊外来を受診してみましょう。これが一番確実な対処法です。
不妊外来は敷居が高いように感じるかもしれません。でも、日本では子供が欲しいのになかなか妊娠しない夫婦は、統計データはありませんが5~10組に1組と言われているんです。不妊の問題は身近な問題です。二人目が欲しいと強く想うなら、その数字を受け止めて真剣に考えてくださいね。